勝負師の神経戦(「ハスラー」「麻雀放浪記」)

心技体、どれも大事だけど、やっぱりコアになるのはメンタルなわけで。
勝負の世界で「気持ちを整える方法」や「相手の気持ちをかく乱する方法」も様々だ。
「ハスラー」
“疾風の”エディとミネソタ・ファッツの最初の戦いで、勢いに勝るエディに対してファッツは、厳しい持久戦のなかで、ゆっくり間をとって、顔を洗い、髪を整える。改めて身なりを整え、そして悠々とエディに言う。
「さぁ、続けようか。」
神経戦に持ち込まれたエディは逆転され「負け犬」へと堕ちていく。
「麻雀放浪記」のドサ健と出目徳の対決も面白い。周到に伏線を張ったその末に出目徳は必殺の「2の2天和」を仕掛ける。それも追い討ちをかけるように2回続けて。常にアドバンテージに守られて勝負をしてきたドサ健は初めての劣勢に正気を失い、最後には家の登記簿も含めて全財産を毟り取られる。
この2つの作品、他にも共通点があって、どちらの勝負も最後には、コテンパンにやられた側がリベンジを果たす。それからエディ、ドサ健それぞれの「女」(パイパー・ローリーと大竹しのぶ)も、どこか似ている。
映画としては、立ち直れないほどの敗北を味わうことになる負け犬がいてこそ、ドラマは面白みとリアリティを増す。
洋の東西を問わず、勝ち負けを問わず、勝負の世界に生きる(ろくでなしの)男たちのドラマは面白い。

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勝負師の神経戦(「ハスラー」「麻雀放浪記」)” に対して2件のコメントがあります。

  1. このあいだ久しぶりに会った地元の同級生 より:

    ハスラーⅡで、ブームが起きた気がする。大学生のころ、いつもビリヤード場にいってた。
    プールバーじゃなくて。もうずいぶん前につぶれたけど。
    麻雀の方が廃れてないかもなー。

  2. ヤマ より:

    スーダラさん、こんにちは。
     先の拙サイトの更新で、こちらの頁を例の直リンクに拝借しているので、報告とお礼に参上しました。丁度その一週前に『麻雀放浪記』を取り上げたところだったので、これは奇遇と思ってのことでした。
     こうして共通点を挙げていただくと、改めて成程という感じでした。
     どうもありがとうございました。

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