悪人

映画の中の色々な人が自分の大切な人達とダブって見えてしまいました。
焦燥感を越えた無力感を感じる過疎の町。僕もそういう場所での暮らしを少しだけ知っています。僕はそういう町を逃げ出してきました。逃げ出せたと思っているだけかもしれません。自分は責任を果たさず逃げ出して、どこかでそういう人たちを馬鹿にして笑っていたような気もするのです。

小さな漁村の食堂で・・・車でデートに出かける場所がそういう場所で・・・。初めて・・・初めてズル休みをしたって彼女が言って・・・。
僕はもう、その一言だけで堪えられなくなってしまいました。
だって、彼女は、あんな小さな町の小さな紳士服屋に毎日毎日ズル休み一つせず通い続けたんだよ・・・。
彼女が生きてきた人生と、そしてこれから生きていく人生を思うと僕は涙が出てきました。

こんな風に映画を矮小化するのはきっと違うんだろうって分かってる。
でも僕は、僕自身が誰にも恥ずかしくない、正面から堂々と「大切な人」の目を見つめて語れるような人生を生きているのかどうかって、そんなことを思わずにはいられなかった。

家を暖かくして、大切な人を迎えよう。「おかえり。おつかれさま。」って。冷たく凍えた足先が温かくなって、今夜だけはゆっくり眠れるように。
2010/11/4

「悪人」の中の食事について思うこと

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