まほろ駅前多田便利軒

ひとりでいることが一番堪える日のぶっちぎりナンバーワンは僕も正月です。多分、過去には1度か2度くらい。
だから、たとえ殺したいくらい憎い両親でも、ひょっとして殺しに帰ったのだとしても、誰もがそこに戻ってくるというまほろ駅にやはり戻ってきた行天の気持ちがよく分かります。
好きにならなければ寂しくなることもないし、無視して忘れることができるのなら失くすこともない。でも憎むことや悔いることはあっても忘れることは出来なくて、やっぱり「なかったこと」には出来なくて。
だから多田の直球ど真ん中の台詞をその時だけはキチンと受け止めて、いつになく熱く取り乱す行天が僕は一番好きです。

僕は少し駅からは離れたところに暮らしていますが、ロケ地になった町田の雰囲気が実によく出ていました。いいとこ取りで観光客なんかをあてにする撮り方ではありませんが、なんだか心がザワザワする。
あのあたりに住む人や、よく知る人なら誰でもが皆わかるんじゃないかなぁ。
子供を育てるのにはなかなかハードな地域ではあります、多分ね。でも雰囲気はあります。あのザラザラした雰囲気が。それが魅力というか磁力というか魔力というか、そんな街なのです。

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