半端者の矜持(「キングス&クイーン」)

大人って、もっと立派だと思っていた。
いつも堂々としていて正しい判断を下せる。模範的で、まっすぐで、頼りがいがある。
もしそれが大人の条件なのだとしたら、僕は「大人らしくない大人」になったということになる。
立派でない大人が、誰かに対して、特に子供に対して、堂々と振舞って、彼女たちを正しい方向へ導くことが出来るのか。そんなことを考える。娘たちが僕たちのもとに来てくれてから、毎日それを思わない日は無いくらいに。
アルノー・デプレシャンのあらゆる作品に彼の分身として登場するマチュー・アマルリック。「キングス&クイーン」で彼が演じたイスマエルも、他の作品同様「大人らしくない大人」の典型だ。無軌道でエキセントリックで我がままで・・・。
そのイスマエルが、離婚した妻の、連れ子であった少年、少しだけ生活を共にしたことのある「昔の義理の息子」に、語る台詞が僕は大好きだ。

前にも言ったけど、人生で僕が自慢するのは君に会ったことだ。
君が最低の男になったり1279年会わなくても君を想ってる。それが楽しい。
君は子供だから僕のことを考えなくてもいい。でも頼ってこい。
一つだけ言っておく。自分はいつも正しいと信じること。でも当然少しは間違うこともある。間違えるのはとてもいいことだ。
必ず答えがあるわけじゃない。思う以上に刺激的で意外なのが人生なんだから。

胸を張って、正しいことを言い、堂々と振舞える大人になりたいと今でも本気で思っている。
でも、それ以上に、自分が何者であっても、舌打ちされても、軽蔑されても、無視されても、自分の大切な人に、ありったけの気持ちを込めて向き合って、何かを伝えられる「半端者」でありたいと思っている。
「半端者」にしか伝えられない真実を臆すること無く語りたいと思っている。

「キングス&クイーン」

キングス&クイーン

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半端者の矜持(「キングス&クイーン」)” に対して1件のコメントがあります。

  1. しほ より:

    とっても、いいですね。

    1. sudara1120 より:

      ありがとうございます。
      とてもいい映画ですよ。他にもとても心に刺さる台詞が出てきます。
      未見でしたら是非。

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