本当の侍(「ちょんまげぷりん」)

大好きな「ちょんまげぷりん」を見ていた。昨日の「ゴールデンスランバー」に続いて中村義洋監督二本立てだ。
このお話に抜群の説得力があるのは江戸時代からやって来た安兵衛さんが決して侍としての生き方を曲げなかったからだ。
正しいことを正しいといい、間違ったことをすれば叱り、お世話になった相手には礼を尽くす。周囲から揶揄されても変人扱いされても一切ぶれる事はなく、彼は侍でい続ける。
そして、その「侍」のあるべき姿が、ご都合主義で「武士道」やら「伝統」やらを持ち出す現代の“なんちゃって侍”とはわけが違う。長い刀を二本挿して、周囲を威圧し、力で恫喝して「死ぬ覚悟が出来ていればどんなことでもやっていい。」などという捻じ曲がった武士道を勝手に肥大化させてきた輩とはわけが違う。
彼は優しい。弱いものや小さなものへの優しさがあって、そういうもののために決してぶれること無く義を貫き通せる。彼が劇中で口にする「死んだら御免」は、どんなことがあっても約束を守り通すという意味なんだそうだ。
それが本当の侍だ。本当の侍は誰よりも優しい。優しさの裏づけのない強さには何の意味も無いんだ。

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