12から8へ(「十二人の怒れる男」「ミッション:8ミニッツ」

「8ミニッツ」の主人公はまず国家に仕える軍人として使命を全うしました。
ここまでは愛国心と使命感を持ったヒーローの物語。
その後はパーソナルな物語。彼が最後に選んだのは父親への感謝と、人々が笑うささやかな日常、そしてその日常を共に紡ぐパートナーとの未来でした。
この順番が実にアメリカらしい。

僕は「12人の怒れる男」を思い出しました。
全員一致で無罪の評決となる直前。最後に「父と子」の情にスポットライトを当て、最大限のリスペクトを見せた、こちらもまた実にアメリカらしいラストでした。

12から8へ。50年以上の歳月を経てアメリカの良心は受け継がれて、リアルタイム密室劇は、捻りの効いたリワインドムービーに進化し、父と子の情愛のその向こうに更に積極的な未来を現出させていました。
蛇足かどうか賛否は別れるところかもしれませんが、僕はこのラストのパラレルワールドの中のシカゴの街を歩く二人のシーンがとても好きです。
「世界の中の自分」に苦悩しながら、「自分の中の世界」に無限の広がりや優しさを感じることが出来るというのがまさに夢、アメリカンドリームの源であるような気がします。

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