「ピアノの調べ」といえば?
いつの間にか静寂が訪れて、そこに静かにピアノの調べが流れてきて、それまでは見えなかったドラマの裏側や、心の奥の想いや、遠い昔の思い出が立ち昇ってくる。ピアノは映画の中でも、とても優秀な、ドラマチックな演出装置です。
「シェフとギャルソン リストランテの夜」
兄弟の一世一代のパーティーの終わりに、老獪な実業家が突然奏で始めるピアノ。
卑小なカネの亡者だと思っていたその男の人生が立ち昇る。ビジネスの世界を生き抜いてきた男の矜持が見えてくる。
この映画は後半が”静かな怒涛”の如く良い。
「ラ・ラ・ランド」
空虚な会話の中、愛想笑いしか浮かべることの出来なかったミアの耳に、あのピアノの旋律が聞こえてくる。その調べを啓示として、運命だと信じて、夜の街へと駆け出していく緑のドレス。あの浮き立つような恋する乙女の表情に繋がるピアノでした。
「ヤンヤン 夏の想い出」
イッセー尾形演じる日本のビジネスマンが即興で弾くピアノ。最初は陽気な「上を向いて歩こう」。客のアンコールの求めに応じて、彼が奏でたのはベートーベンの「月光」。単なるビジネスでなく、人生についての示唆を主人公に与える重要な人物として彼にスポットライトがあたる瞬間でした。
「エドワード・ヤンの恋愛時代」のピアノは聞くだけで胸が・・・。
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