打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

少女という名の女。
少年たちという男たち。
出会いという名の別れ。
一瞬という名の永遠。

2011/7/28

「打ち上げ花火」・・・一人で見るか。あの娘と見るか。

つい最近、高田馬場で見ました。その後発売されたばかりのビデオで復習。

「今度会えるの2学期だね!楽しみだね。」

ナズナはあの時、自分が夏休みを最後に転校してしまうことを知っていたのでしょうか。もし知っていたとしても、そして知らなかったとしても、こんなに胸がキュンとなる言葉はありません。
まちがいなく言えるのは、この日の出来事をきっと彼女はずーっと忘れないだろうということです。人生でもっとも多感な年頃、両親の離婚に少なからず傷ついた彼女、裏切られる血筋のはずの自分ををノリミチは決して裏切りません。
手をつないで逃げます。一緒にバスに乗ります。トイレにだって付いて行きます。切符まで買おうとします。夜のプールに忍び込みます。そして墨汁のような水の中を一緒に泳ぎます。
困って、戸惑ってどうしていいかわからなくても決して彼女を裏切りません。どこまでも付いて行きます。彼女にとってはそれだけで良かった。そんなちっちゃなナイトのことを彼女は誰よりも頼もしいと思ったことでしょう。
ちょうどあの頃、一足先に大人になる女の子をちょっぴりもどかしく、ドキドキと「下からみる」しかない男の子ですが、ノリミチはそれでもビシッと決めてくれました。ほんとにカッコ良かった。

「マコトと三浦先生の結婚を祝してーーー!」
ぼん!ひゅるるるーーシュパ!

花火師のやっさんは幼なじみとフィアンセのために飛びっきりの花火をサービスします。ノリミチとそしてスタンドバイミーしてた悪ガキ4人組はどんな気持ちであの花火を見てたのでしょうか。
やっさんもかっこよくて、好きです。悪ガキ共もきっとやっさんみたいなかっこいい男になる事でしょう。

そして、ナズナも一人どこかであの花火を見上げていたのでしょうか。たとえそうだとしても、そしてどこに転校してしまっても自分は決して一人ぼっちじゃあない、きっとそう思えたことでしょう。ほんとに良かった。

もちろん「映画は一人で見る派」の僕です。
96/7/26 2:15

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