「一面の銀世界」といえば?

寒いのは苦手な癖に、寒い時に寒い場所へ行ってみたいといつも思っている。
真っ白な雪の壁、降り積もる雪を見ながら、そこに暮らす人、暮らしてきた人の気持ちに思いを馳せたり、何も考えず、その白だけを見つめて圧倒的な畏怖を自分の中に確認したりしてみたい。
寒い場所が苦手なビジネスマンが祖父に頼まれて、両親の供養のために極寒のアイスランドを訪ねるロードムービー「コールド・フィーバー」。
様々なトラブルと不思議な体験を超えて両親のもとに赴く永瀬の決然とした表情がいい。主役は彼と一面の雪の壁と。

ちっぽけな企みと、幾つかの計算違いの積み重ねで、運命のいたずらに巻き込まれてコロコロと坂道を転がり落ちて行く人たち。「ファーゴ」の見渡す限り白い雪と氷の世界が人の心を少しずつ狂わせたのだと誰かが言っていた。

寒い時に寒い場所に行ってみたいのは、何かを体験したいというよりは、映画を見るような気持なのだと思う。

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