カッコいい父親
色違いの自転車に嬉しそうに乗っている娘たちを見て、ふと昔の話を思い出した。
同じくらいの年のころ、僕が自転車を盗まれたことがあった。父が一緒に探してくれて、そして近所の小学生が僕の自転車を勝手に乗りまわしているのを遠目に見つけた父が、猛スピードでそれを追いかけ、僕のために自転車を取り返してくれた。まるでモノクロの活劇のような40年くらい前の光景。
息子にとっての父親と、娘にとっての父親は多分違うのだろう。だけど僕はやっぱりカッコいい父親でありたいと思う。
「GO」の山崎努のような。
「海よりもまだ深く」の阿部寛のような。
唯一無二のカッコよさを持つのが子供にとっての父親なのだと思う。