ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
名も無き人に光を当て、命を与えるのが映画の役割の一つ。
あの事件の被害者としてしか人の記憶に残らなかったシャロン・テートという女の子に光を当てて、血を通わせたタランティーノの愛。
自身が出演しているB級映画を最前列で見て、観客のリアクションに歓喜し微笑む純粋無垢な少女。映画が大好きな天真爛漫な女性。映画が好きな子に悪い子はいないんだ、映画が好きな子は皆幸せになれるんだ、と言わんばかりの。
もう一人の少女。
西部劇の悪役を演じるディカプリオと休憩中に交流する意識高い系の金の卵。
やたらと泣いてしまうディカプリオを励まして慰めて鼓舞して力を与える少女。
彼女の前でカッコ悪いところは見せられないと迫真の演技を披露するディカプリオ。
リスペクトし合うデカプリオと少女。
全編に貫かれる、映画と映画に携わる人々へのリスペクトが心地良い。