子供の触れる世界(「ユキとニナ」「ヤンヤン 夏の想い出」)
小学校まで15分くらいの道程を娘たちと一緒に歩いています。娘たちと同級生たちのやりとりや会話を見ながら聞きながら。
子供たちの世界はとても複雑で、とても難しくて、とても豊かです。子供たちの目を通して見ると世界が変わります。
「ユキとニナ」は繊細な少女の心象風景を一人称で見せてくれて、僕はそれに翻弄されていました。少女の不思議さは(多分彼女たち自身もそれを消化しきれていなくて)僕にとっては少年の頃から今まで永遠のミステリーです。
映画監督エドワード・ヤンの分身であるヤンヤン少年の目で見た家族、時代、台北の街。「ヤンヤン 夏の想い出」の彼は哲学者です。人々の後ろ姿を撮り続け、決して権力に阿ることも無く、大人びた少女にも臆することなく彼女を探求し続けます。
世界を貧しくして僕の目を濁らせているものに振り回されるのでなく、彼女たち、彼たちのように世界と触れ合っていたいものです。
「ユキとニナ」
https://cinemanokodoku.com/2018/09/08/yukiandnina/
「鉄腕アトム」
https://cinemanokodoku.com/director/edwardyangroom/atom-2/