ジョゼと虎と魚たち

「それもまたよし・・・や・・・。」

別れても友達になれない相手との別れを経験して、皆大人になっていくのかなぁ?何かに惹きつけられて、恋に落ちてしまうことと、一緒に暮らしていくことは違うのかなぁ?怖気づく事だって、逃げ出したくなる事だって、そりゃ、あるある。
この世で一番エッチなことは「最初」にあるんだってこと、ジョゼはきっと知っていたのでしょう。それから「1年後」のことも。でも小説通りになることも小説通りにならないこともあるからこそ、面白いんだって事には一年後に初めて気がついたのだと思います。これは僕の想像。電動車いすで颯爽と走る彼女の後姿、椅子から元気にダイブする彼女。僕は少し微笑みながら「そうや、そうや。」って頷いて、それから少し元気を貰ったのでした。

初めて台詞を口にした途端、映画の雰囲気をガラリと一変させてしまう力を持った女優、やっぱり好きだなぁ、池脇千鶴。それから妻夫木君も相変わらず、肩の力の抜けた爽やかな感じで。大阪の九州人っていうのも、なかなか面白い設定でした。

「一緒に暮らしていくこと」っていうのは、二人で同じおかずと同じ白いご飯を同じ卓の上で食べるってことだと思います。1年どころではなく20年も30年もずっとずっと続く事、積み重なる時間、ゆっくり流れる時間。二人が小さなちゃぶ台で食事しているところを見ていると僕も美味しい魚と味噌汁で白いご飯をバクバクとかき込みたくなりました。

食欲の出る映画。これって良い映画の条件かもしれません。
04/02/04(水) 13:10

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