後藤久美子さん(「男はつらいよ お帰り寅さん」)

20年くらい前に渋谷のデパートで後藤久美子さんとすれ違ったことがあります。本当に美しい方で、それ以上に、大変月並みな言い方ですが、圧倒的なオーラがありました。
寅さん映画の中の彼女を僕は殆ど知らなくて、だから「男はつらいよ お帰り寅さん」の彼女(及川泉)はほぼ初対面でした。
だけど現在の彼女と、それから満男の思い出の中の彼女は、何故だか懐かしくて、切なくて、愛しくて、どうしようもなく胸を締め付けられました。
彼女の美しさは人を寄せつけない強さや、人を見下ろす狭量なプライドのようなものとは全く無縁でした。繊細で傷つきやすくて、だけどしっかりと前を見て自分の思いを伝えることの出来る凛とした強さがあって。
人の心の優しさ、誰かに優しくしてもらったという気持ちこそが、ずっと人を温め続けることが出来る。どんなに遠く離れていても、どんなに厳しい困難の中にあっても。
そんな大切なメッセージを思い出して信じられるようにすることが出来る女性は彼女以外思い浮かびません。

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