魔女の宅急便

二人の娘の8歳の誕生日に彼女たちと一緒に「魔女の宅急便」を見た。
随分昔にVHSで見て以来。彼女たちが生まれてから感じ方がガラリと変わった映画は他にも沢山あったけど。
13歳の旅立ちはあまりにも早過ぎるけど、早かれ遅かれ、大切な娘を送り出す時の親の気持ちはいずこも同じ。まだ映画は始まったばかりなのに娘たちに挟まれて見ていた僕は眼鏡をかけた優しいお父さんと完全にシンクロしてしまって・・・。
家を出て自分の人生を独りで歩き始める時に一番必要なものは「幸運」だと思っている。信心深い人なら「神の恵み」と言うだろうか。能力や才覚や器量や性格や容姿よりも、それの方が大事だと思っている。
家を出て初めての街で当然のように”世間の荒波”に揉まれたキキは優しい人たちとの幾つかの出会いを経て、自分の居場所を見つけて、自信をつけ、励まされて、成長していく。
その出会いの理由は能力や才覚ではなく幸運だ。あまりに都合が良く、甘い甘い作り話のように見える幸運。でも、それこそが旅立つ娘のために親が願うこと。
幸運が決して偶然ではなく、それを手繰り寄せることの出来る人にだけ訪れるということを知っているから。自分と彼女たちとのそれまでの人生を通じて、そのことを知っているから。
「ラピュタ」や「カリオストロの城」が大好きな娘たちは映画の半ばくらいで「ねぇ、パパ、これって何の話なの?」と聞いてきたけど、それでも最後までパパと一緒に付き合って見てくれた。
「キキとジジって名前が似てるよね。」
が、誕生日の夜、お風呂で聞かせてくれた感想だった。
彼女たちが13歳になったとき、家を出る時、新しい家族と新しい人生を歩き始める時・・・。彼女たちが改めてこの映画を見たとしたら、どう感じるのか。その時、その時に彼女たちが幸運を手繰り寄せることが出来る女性になっているかどうか。
見守り続けていく。

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