夜の子供たち

「暗闇の中、愛の存在を問うと、遠くからかすかに答えが聞こえる。信じられないけど”存在する”と・・・・・・」

女教授マリーは「魔笛」のワンシーンに涙します。

彼女の講義のシーンも印象的でした。

本来攻撃的な本能を持つ人間はそれでも愛情を求め、最後には攻撃の対象すらも愛してしまうと言います。

この映画には数え切れないほどの三角関係が登場します。媒介になる愛情は様々な形をとっていますが。そしてその関係の中ではことごとく憎悪の対象として最初は存在していた人物が愛情の対象になったり、愛情を注ぐべき存在が憎悪の対象になったりしています。
愛情と憎悪が実は非常に近い感情なのだという本質が登場人物一人一人のきめ細やかな描写と共に見事に描かれています。

ジュリエットの半生を語ったテープの冒頭では、彼女の母親が再婚後自分たち兄妹に冷たくなったという事実がチラッと語られます。
だから、ラストシーンでのジュスタンとジミーは実は非常に似通った境遇に置かれているということになります。ぶっきらぼうな遣り取りの後、最初は敵意を抱いていたジミーに心を許すジュスタン。一番好きなシーンです。

子供ならずとも、時には憎み傷つき、数え切れないほどの矛盾を抱えながら、それでも皆が愛情を求めている。皆が幸せになる様な映画よりも、(なかなか簡単に幸せになれないからこそ)人が誰でもそういう気持ちを抱き続けているんだということを教えてくれたこの映画の方がずっと希望が持てるのではないでしょうか。
97/07/03(木) 00:20

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