毛虫のボロ
夏の終わりに、小さいけど、とても真っ当な映画小屋で見た「毛虫のボロ」は6歳の娘たちと夏に映画館で見る映画としてとても良いセレクトでした。
大人が子供になったり、子供が大人になったり、天国に行った大切な人が帰ってきたり、夏は異世界との出会いで、それは子供にとって特に鮮烈です。
男の子なら「鉄塔武蔵野線」のようにリアルな冒険に出かけるのですが、女の子の場合はもう少し空想や形而上的な意味合いが強くて「ユキとニナ」みたいな異世界が広がっているのかもしれません。
三鷹の森のその奥の小さな映画小屋で映画の世界と映画を作る人の世界に触れたその後で、小さな生き物の目や耳を借りて体験する夏の一日は彼女たちにとってきっと忘れられない不思議で鮮烈な異世界の思い出になったことでしょう。
自分たちの世界には、自分たちの知らない世界が常に同居している。
そんなことを体で感じてくれたはず。