一つのところに止まる(「3月のライオン」)

豊川悦司さんがとにかく良い。
将棋が全て。将棋しかない人。全ての物事を将棋を通してのみ考え、言葉にする人。
自分の子供に香子、歩と名前をつける。

どこまでも生真面目で不器用な人。
道に迷う娘に「将棋以外の人生もある。」と声をかけてしまうような。

そして、それでも、どこまでも魅力的で包容力のある人。
「正」という字は「一つのところに止まる」と書くのだそうだ。
豊川さん演じる幸田という一人の棋士からは正しいことの強さ、一つのところに止まり続ける強さをひしひしと感じることが出来る。

そして後編ではその幸田が、迷い恐れる主人公桐山零を支え、励まし、大きな勇気と自信を与える。

僕はこの一人の棋士の生き様を見るためにだけ何度も映画館に足を運んでいいと思った。

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