髪結いの亭主
踊るロシュフォール。踊るロシュフォール。踊るロシュフォール。
彼を見て思う。
永遠に続く口づけを思う。いつか必ず訪れる恋の終わりを思う。その両方を思う。
うっとりするほどの色気。マチルドに惹きこまれる。
天使、香り、柔らかな乳房の感触、微笑み、眼差し、愁いをたたえた眼差し、吸い込まれるような眼差し・・・。
でも本当にセクシーなのはロシュフォール。
男の魅力は決してマッチョではない。男ほど繊細な生き物はいない。
踊る彼を見て感じる。
男の愚かさと、可愛らしさと、切なさと。
自然に涙が溢れてきて止まらなくなる。
僕にとっては、これこそが映画。これこそが男と女。
さすがルコント。20年越しの憧れの人に出逢えた気分。
映画館の暗闇の中で出逢うことが出来た悦び。
2011/1/12
マイベスト10に入る映画です。観た後原作の文庫本を買い、サントラ盤を聴きながら何度も読みました。
ルコント監督は本当に粋な作品が多く殆ど観ていますが、中でも此れが最高です。ストーリー、俳優達、サントラと三拍子揃っているからです。
でも、何度読んでもラストが謎です
YOKO MATSUSHITA さん、ありがとうございます。
僕もルコント大好きで、とりわけ、この作品を愛しています。芸術性と娯楽性のバランスがとても良くて、男も女も、とにかくロマンティックで愛しく撮ってくれる人ですよね。
「髪結いの亭主」僕は小説の方は未読なのですが、映画のラストは切なくてミステリアスではあるものの、一つの恋の、もしくは一生を賭けた愛の終わりとしては、とても説得力があるようにも思えて、決して突き離されてしまったようには思いませんでした。
個人的な解釈としては「あの、ラストのシークエンス以外は全て男の夢だった」とも思っています。
何度でも味わいたくなりますね。