「これは!」と思える邦題といえば?
「この森で天使はバスを降りた」の原題は「The Spitfire Grill」。これは作品の中に出てくるカフェの名前。
固有名詞がそのままタイトルになってる映画は多くて、その場合は邦題のつけかたがとても難しい。そのままだと、どうしても映画の内容を伝えることが難しくマーケティング上は不利になる。
見る人に“刺さる”ワードとして「天使」。そして映画の内容をストレートに伝える言葉を配置し、敢えてタイトルを長めにすることで、より興味をひくことにした。そんな感じだろうか。
やりすぎて、あざとくなってしまうと、ちょっと身構えてしまう場合もあるのだけど、そのケースとしては「刺さるワード」に「愛」「恋」「青春」みたいな、ド直球ワードを配する場合。
「愛と青春の旅立ち」=An Officer and a Gentleman
これぞ80年代。
最近は「刺さるワード」を使わず、サラリと作品の雰囲気を伝える邦題も増えてきていて
「LIFE!」=The Secret Life of Walter Mitty
「8ミニッツ」=Source Code
など。
「8ミニッツ」などは、邦題の方が良い出来なのではないかと。
最近は情報を取得するメディアも増えてきたし、映画館の興行自体の果たす意味も変化してきたので邦題の担う役割も単館で映画を見る人向けの「サラリ路線」と、シネコンで映画を見る人向けの「刺さるワード路線」に二分化しているのかも。
スティーブン・セガール御大の例のシリーズなどは日本の担当者の業務効率化に、かなり貢献していて、それはそれでとても親切だ。
そんな僕の一番好きな邦題は「サラリ路線」と「刺さるワード路線」を上手くミックスさせて、当時単館系で熱かったこちら。
「恋する惑星」=重慶森林/Chungking Express