ミルク

「私のように目立つゲイの活動家は臆病な人間にとって格好なターゲットだということをよく承知している。」

ショーン・ペンが主演した「ミルク」のことを思い出している。
いつも誰かを非難して、その権利を徹底的に奪おうとするのは臆病な人間で、そして彼らの背後には対立を煽って、いつも半分以上の味方を自分の手の内に収めようとする狡猾な権力者がいる。あるいは個人から金や時間を搾取しようとするシステムがある。
表現や信条の自由は「反対側にいる人」を対象に最大限に尊重されるべきもので、数の力や暴力で奪い合うものではない。
本当に怖いのは「自分と異なる考え方」ではなく「自分の中にもある臆病さ」だ。臆病さが嫉妬と猜疑心を呼び、暴力の応酬が始まる。
ショーン・ペンが演じたのは鉄の意志を持った崇高な活動家ではなく、暢気で茶目っ気のある、ただのおにいちゃんだった。彼が望んだのはパートナーと、仲間と過ごす他愛もない日々だった。
自分と自分のそばにいる人と、自分の反対側にいる人の積み重ねる日常にリスペクトを。恐れずに、疑わずに、無視せずに、適切な距離を保ちながら。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です