東京2020オリンピック SIDE:A

自分が自分であるという信念から目を背けると結局何も残らない。
自分が所属する組織や、自分を支配しようとする何かに自分を譲り渡して依存してしまうと自分が自分で無くなる。

「歴史に名を残すために映画を撮る」
そう言った河瀨直美が、自分を譲り渡して、実の無い名前だけを残す映画を撮っていたらどうしようかと、そんな雑音があちこちから聞こえてきて、それだけでうんざりしていたのですが、全くの杞憂でした。

「歴史に名を残す」とは、綿々と連なる時間の流れの中に自分の身を置いて見つめること。

母として、女性として、バスケットボーラーとして、日本人として・・・自分が何者であるのかを徹底的に見つめたその先にある歴史、真実。
そういうアプローチに立った時に自然と立ち現れる全てのアスリートへのリスペクト。

「東京2020オリンピック SIDE:A」は紛れもなく河瀨直美の作品でした。

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