月とキャベツ

数々の極々個人的な障害を乗り越えて何とか劇場公開中に見ることが出来た。
無理して見に行って良かった。

一番最初の方で、ギターの弦の擦れる音を聞いただけでああ良いなあと思ってしまいました。ハーモニカ、アコーディオン、ピアノ。それだけじゃありません。ヒグラシの声、せせらぎ、夕立。生命の匂いのする音が全編にわたって聞こえてきます。

そしてそのどれにも増して、生命の輝きを感じさせるのがヒロインのヒバナでした。夏の緑の中、白いワンピースの彼女は本当に細い腕をしなやかに伸ばしたり曲げたりして踊ります。あれが、「生命の輝き」以外のなんだというのでしょう。

花火の気持ちも同じではないでしょうか。

もし彼が「死んでしまった大切な人」のための鎮魂歌として曲を作ったのなら僕はこの映画を好きにはなれなかったでしょう。彼はヒバナという女の子が自分の歌に支えられて生きている(現在形)という事実、そして自分の歌を頼りにして生きている人々がいるという事実、そしてそういう人たちに自分が支えられているという事実から曲を書いたのです。

死んでしまっても生き生きと生き続ける女の子が、生きているのに生き生きしていない男の子に、生き生きと生きる力を与えて、どこかに去っていく。

そんなピュアなラブストーリーでした。

最初から、生きているとか死んでいるとか、そういう事は関係なかったのかもしれません。
97/01/22(水) 01:14

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