スペース・カウボーイ

40年前に宇宙に行くことを諦めなければいけなかった男たち。彼らはそれぞれに悔いを抱いてその後の人生を送ったのでしょう。

彼らが若く向こう見ずな若者であったなら、衛星を墜落させないことだけが唯一最大の目的であり、その目的のために殉ずることこそが彼らにとっての美学となったかもしれません。しかし、彼らはそうした美学に殉ずるにはあまりに長い人生を生き、沢山の悔いを背負いつづけてきた。

だから彼らはスペースシャトルを無事に着陸させること、機と共に無事に帰還することにあれほど執着したのでしょう。
40年前に自らの無鉄砲な行動で飛行機を失ってしまったホーク。彼こそが最も「機を無事に帰還させる」ことにこだわり続けた人であったはず。本来ならその役目は彼に担わせてあげたかったところですが、そこはやはりイーストウッドらしいところで、彼には老カウボーイの哀愁ではなく、正統派のヒロイズムを任せたようです。

沢山の悔いと共に、自分より先に逝ってしまった人々の願いも背負い続ける老カウボーイたち。イーストウッドはあとどれくらいこうした映画を作りつづけ、自らの願いを誰かに託そうとするのでしょうか?
00/11/26(日) 16:31

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