鉄コン筋クリート

映画化を知って、急いで原作を買ったのですが、どうにも世界観を自分のものに出来ず、戸惑っていました。集中力なのか、想像力なのか、そういうものが足りなかったのかもしれません。

実写化され、大好きだった「ピンポン」と共通するテーマを持った作品なのだということがようやく分かりました。
僕たちは自分と正反対のものを持つ「ヒーロー」に支えられている。どちらも男同士の友情に近いようなものが“装置”として使われています。松本大洋という人はときに「男同士の話しかかけない。」という評価をされることがあるそうです。
でも僕はこのテーマ「人は自分と正反対のものに支えられている。」ということには、もっと普遍的なものを感じました。友情以外の関係の中でもそういうことはよくあるし、とても大切なことだし、それから自分の内側にも常にそういうものを併せ持ってバランスをとっている。
自分の内側の二面性ということならばクロにとってのイタチの存在、暴力や野蛮で邪悪な本能を剥き出しにしたもう一人の自分というのも恐らく誰もが飼っているものなんじゃないかなぁ。
個人のパーソナリティの全てが「黒と白」「善と悪」のどちらかに属するのではなくて、それぞれが持つ多面性と他者が持つ多面性が交わりあうことで均衡が保たれている。
ヒーローは自分の中に、それから自分と関わっているとても身近な誰かの中にいるのでしょう。

原作に共鳴し“ハマった”人の評価はどうなんだろう?
僕は映画を見終えてからもう一度読んでみたのですが、映画の躍動感や、生き生きとした言葉が甦って、それでも何だか妙に“新鮮”でした。
アニメへの転化、キャラクターの存在感、声の演技、どれをとっても一度や二度見たくらいでは飽きることのないクオリティですが、一人だけ挙げるとすれば、やっぱり蒼井優かなぁ。あれだけ自然にシロになれるとは「恐るべし」としか言いようがありません。
しばらく頭から離れないんだよなぁ、あの台詞が。
「安心、安心・・・」
2007年02月01日17:52

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