用心棒

その後の数多の映画作品に繋がる娯楽映画の教科書のような。
最近見た映画の中で真っ先に浮かんだのは「マッドマックス怒りのデスロード」。英雄譚のプロットを踏襲したこの作品が海外で評判を呼ぶのはよく分かる。監督も自身が影響を受けた作品に本作を挙げていたらしい。清潔な正義感を振りかざすことなく、寧ろ粗野で、清濁を併せて呑むヒーロー。何の前触れもなく現れ、そして自分がいた痕跡は何も残さず去っていく。平和を手に入れた町をあとにして。
ユーモアと迫力のある殺陣と大胆な展開力はタランティーノを思わせるし、冒頭の犬と手首のシーンはリンチの「ワイルド・アット・ハート」でも再現されていた。
60年代にこれをやってしまった黒澤明という人はやはり規格外の監督としか言いようがない。改めてキャリアを見てみると「七人の侍」や「隠し砦の三悪人」はこれよりも前の作品で、そうして見ると、この映画はそれまでの作品を踏襲しつつ、やや実験的な要素を取り入れたユニークな作品だったように思える。
個人的には、今年は色々な事情が重なって映画館で見た映画は4月の今まで1本もない。
だけど・・・自宅のPCやテレビで見るAmazonの旧作も・・・。
「椿三十郎」は多分30~40年くらい前に父親に教えてもらって見て、大興奮したのを憶えている。40年の時を経ても全く時代遅れにならない姉妹作が、この作品。時代の洗礼を受けて尚、残り続ける作品を見るのも悪くない。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です